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「ハモ」が姿を見せたのは、2001年の秋。とにかく体格のいいサルで、いわば体育会系。北限のサルは面長な顔立ちが多いが、ハモはなかでもひときわ目立つ存在。個体識別ははじめから容易だった。
ハナレザルが交尾時期の秋に群れ周辺に姿を見せるのはニホンザルの特性。オスは大人年齢になると生まれた群れを出て、しばらく放浪して別の群れに入る場合が多い。なかにはハナレザルとして単独で生涯を過ごしサルもいる。ニホンザル社会はオスの移動で近親交配を回避させている。
おりしもこの年は、メスのトップにいた「ツツジ」が死亡し、その地位を末娘の「モミジ」が継承した時期と重なった。オスザルは自らの力で群れの地位を築くのではなく、メスの力を利用して確立する。母系社会のニホンザルはメスが大きな影響力を持つ。それもメスの序列がそのままオスに転嫁する。つまりオスは交尾期に順位の高いメス、モミジの信頼を獲得すべき努力をするわけになる。しかし群れには古参のオスザルもおり、新参者のハモが簡単にモミジの「指名」を受けるほど甘くない。オスザルの秋の勢力争いは頭脳勝負になる。
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