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2006年2月25日、牛ノ首をあとにした群は脇野沢の白岩と呼ばれる海岸斜面まで移動した。一年前の同じ日に同じ場所にいたことになる。
あれから一年。脇野沢では問題個体13頭の捕獲が一定の成果をみせ、人的被害はゼロ、農作物被害も減少したとの報告がなされた。
捕獲の成果を検証すれば、ひとつには、問題個体を捕獲することで他のサルへの悪い波及を抑えたこと。この事例は20001年3月、人家侵入するサルを1頭捕獲したら、追随していたもう1頭のサルが姿を消した時と同じ。先陣をきるサルがいなくなれば追随するサルもいなくなる。つまり、集団生活するニホンザルの習性をうまく利用できたことになる。
ふたつめには、捕獲後の巡視員による「追い上げ」の強化。人員増強をともなう畑周辺の「追い払い」から山側への「追い上げ」が徹底され、サルたちの「人に対する警戒心」が芽生えはじめたこと。「追い払い」は畑に侵入したサルを外に追い払い、「追い上げ」は畑周辺から群れ全体を山側へ追い上げること。とくに「追い払い」はサルの集団性を熟知してないと出来ない高度な技術を要する。これらの作業を期間も延長しながら実施したことによる成果。サルたちにとって巡視員は怖い存在になったことだろう。
そしてもうひとつ加味しなければならないのが、山の実り。昨秋はブナなど、山の食べ物が豊富だった。サルたちは当然のように畑周辺で生活する回数を減らし、その結果、農作物被害が減少した。かれらの生活母体が山にある裏付けにもなる。言葉を変えて整理すると、悪い要素は早めに発見また生み出さない。必要な場所では必要な人間の圧力をかける。サルたちの生活の場を保証する。そしてこれらを根気強く続けると人とサルの一定の距離が保てることになる。捕獲後の一年は、これらの要素がうまく機能して、人的被害を含んだ被害減少にむすびついた。
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