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気がつくと「ブラック」の姿は牛ノ首から消えていた。最後の観察は2005年12月。
03年春生まれのブラックは2年6ヶ月牛ノ首で過ごして、新たに生活の場を求めたのだった。
二ホンカモシカの生態は不明瞭な部分が多い。ナワバリはどこにどうやってつくるのか、そのきっかけや足場は何か。親子の関係はいつまで続くのか、また若いカモシカが生まれた場所を去り、そのあとはどうなっているのか。短期間で死亡するものか,ナワバリをつくってたくましく生き抜くものか。疑問を書き出すと枚挙にいとまがない。
ブラックの場合、牛ノ首にはすでに「ミドリ」というオスがナワバリを持っていた。カモシカは同性のナワバリは共有出来ない。したがって、ブラックは先住のミドリとナワバリ争いをして勝ち抜いて居残るか、自ら出て行くかの二社選択しかなかった。結局、ブラックとミドリのナワバリ争いを一度も観察する事なく、ブラックが牛ノ首をあとにしたようだ。先住のミドリが強かったのか、見えないところで小競り合いがあったのか、疑問を残したまま姿を消した。
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